ジギングインストラクターズグループ
J.I.G(ジギングインストラクターグループ゙)とはジギングの面白さをもっと知っていただくために
2002年発足した団体です。
全国のジギングエキスパートの協力と各社メーカー並びに船宿の協賛により構成され、
講習会、展示会、マナーの向上、海洋資源保護、救命救急講習、競技会などの
各種イベントを主催しております。
又 初心者や未経験の方に判りやすいタックルやテクニックの紹介、適切な
フィールドや船宿の紹介、安全で楽しくジギングを楽しんでいただくための
タクティクスを広く紹介していたいと考えております。

我々の活動が皆様のフィッシングライフの少しでもお役に立てば幸いです。

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アングラーズESSAY
『もう一つのジギング』第一回‐石垣の二つの夜‐
寄稿 池ひろと 2004年1月
国内屈指のジギングのポイントであり、風光明媚な『美ら海』(チュラウミ)フィールド。石垣島を初めて訪れたのは比較的最近だ。それでも5年ほど前になるだろうか。51ftのクルーザーを駆って、与那国島まで回航する途中だった。
 回航というのは、船を港から港へ自走で運ぶことを指す。私は自らも船を操船するマイボートアングラーであり、航行時間でいうと船長経験もかなり長い。しかし、そんな私にとっても、大阪〜与那国という1000マイル(海上の1マイルは1.8kmに相当)に及ぶ回航は、勿論経験の枠外のことだった。この長い航海の途中。私は普通の釣り人が、滅多と出来ない至高の体験を数多くした。この夢のような旅については、いずれ機会があればゆっくり語るとして、今回は少し違う話をしよう。
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長い旅の途中。トカラ列島や宮古島周辺で、素晴らしいジギングを楽しんだりしてはいたが、今回の主目的はあくまで船を無事与那国まで運ぶことにある。同船していた先輩船長、M氏の指示に従い石垣近郊のジギングを諦め、私の操船するコンバーチブルは石垣港に入港した。51ftのクルーザーともなると、入港、給油、係留だけでも結構な段取りがいる。それでもこの日は順調に事が運び、全てを完了したのはまだ陽のある時間だった。  
 9月の半ばである。南の島は真夏日と言ってよかった。しかし、からりと晴れ上がった石垣の空は限りなく爽やかで、関西の湿った暑さとは一味もふた味も違う。
美しい夕暮れに誘われM氏と私は石垣の居酒屋に繰り出した。地元でダイビングのガイドを営み、入港に際してお世話になったU氏の案内で「あけぼの」という、新鮮な魚貝類を使ったお寿司と郷土料理の店を紹介してもらった。
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さて、この店が今回のお勧めの逸店だが、このときの料理がまさに素晴らしかった。
 南海の魚類はターゲットとしては面白いが、食味の方はあまり期待できない…、勝手にそう思い込んでいた私も、否応なしに認識を新たにさせられた。多くは本土で食べたことの無い刺身。寿司。絶品の貝料理。種類豊富な海草の付け合せ。煮魚は名も知らぬハタ系の魚を丸ごと姿煮にしてあった。それらがさっぱりと、しかしコクのある味付けで、意外と言っては失礼だが本当に美味しかった。

全国を旅するストレンジャーのごとく。ジガーは様々な場所で超美味な魚を食する機会がある。私もかなりの魚種を抜群の鮮度で食べた経験がある。その私も心底唸ってしまった。調理するご主人も釣り好きなボートオーナーであり、U氏との経験談など非常に興味深く、酒席はかなり盛り上がった。当時はさほど飲めなかった(…本当です。ほんの5年ほど前までは…私も「八重泉」という口当たりの良い泡盛にすっかりはまってしまい、数々の珍しい肴に魅いられるようにしたたか飲んでしまった。

 こうして私の初めての石垣の夜は、至福のひと時として記憶に刻み込まれた。

 それから二年後。仲間達と7人で再び石垣を訪れる機会が来た。
 地元の名船『泰生丸』で三日間のツアーの中日、西表島との海峡付近で目の覚めるようなビッグヒットを経験した。 ステイ&ジャークでボトムから15m巻き上げ、すぅっとティップを送り込むと『ドカン!』ときた。30kg級のターゲットを想定したタックルでは如何ともし難く、ゴリゴリとラインを出されたが、こちらは踏ん張るだけで精一杯。魚種は不明だが明らかに根魚の反応。間もなく根に潜られてしまった。私は何かにつけ大げさな話は嫌いだが、この時の魚は最低でも50kg以下の魚ではない。
何とか頭を上げさせるところまできたが、最後は敢え無くラインブレイクした。リーダーには鋭い歯の痕が斜めに30cmくらい残っていた。その現場はクエの延縄漁場であり、つい二日ほど前も100kgの大物が上がったばかりだという。当日、青物が不調と見た玉城船長が一発逆転を賭けて連れてきてくれたポイントだった。
 失意の夕べ。仲間たちに「ごっつい根掛かりやったなぁ」と、冷やかされながら、夕食をとりに出かける事になった。このときになって私はあの店「あけぼの」を思い出した。
そうだ。今夜は美味い魚を食べて、この無念を少しでも晴らしてやろう。そう考えた。仲間内のツアーは大抵私が企画するから、この手の決定権も私にある。早速タクシーを呼んだが、仲間に「世界一のうっかり者」と呼ばれる私である。店の名を失念していた。
 だが幸いなことに石垣の繁華街はさほど広くない。少し語弊があるかもしれないが大阪に較べれば確かに広くない。心得の良いタクシーの運ちゃんの協力もあり、目指す「あけぼの」はほどなく見つかった。しかし、満席である。到底7人は入れない。
 ここでも私は『痛恨のバラシ』を経験することになってしまった。

 その後、まだ私は石垣へ訪れる機会が無い。今にして思えば、この時バラシた二尾の魚はどちらもでかかった。いずれリベンジを果たすつもりであるが、どうか諸兄も石垣を訪れた節には、私の代わりにこのターゲットを狙ってみてください。
 巨大魚の方はともかくとして、お店の料理は電話で予約を入れれば、間違いなくヒットするはずだから…
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